Q.1胸膜癒着術が適応となる患者さんはどのような患者さんですか?
気胸の原因となる基礎疾患があり、胸部X線撮影で気胸と診断された患者さんが適応となります。また、胸腔ドレナージにもかかわらずエアリークが7日間以上持続する患者さんで、外科手術による治療が困難*な患者さんが対象となります。
*:低肺機能又は他の原因により麻酔・手術のリスクが高く、外科的手術の実施が困難な状態である患者、又は外科的手術によっても再発を繰り返し、再度外科的手術を実施しても治療効果の期待が低い状態の患者
*:低肺機能又は他の原因により麻酔・手術のリスクが高く、外科的手術の実施が困難な状態である患者、又は外科的手術によっても再発を繰り返し、再度外科的手術を実施しても治療効果の期待が低い状態の患者
Q.2胸痛と発熱への対応はどうすればよいですか?
胸膜癒着術は人工的に胸膜に炎症を起こすため、胸痛や発熱、CRP増加といった副作用はやむを得ない生体反応であるといえますが、患者さんの苦痛を取り除くための対処が必要な場合もあります。
胸痛について
続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)では、疼痛の発現率が21.4%(6/28例)、胸膜痛の発現率が10.7%(3/28例)、非心臓性胸痛の発現率が3.6%(1/28例)でした。
本試験では、胸痛管理を目的に塩酸リドカインの胸腔内投与による前処置も一部の症例で行われています。また、英国胸部疾患学会のガイドライン*では、局所麻酔薬(塩酸リドカイン)の胸膜腔内への注入によって、胸膜癒着剤による胸痛に対し有効であると報告されています。
*:Andrew M, et al. Thorax. 2010; 65(Suppl 2): ii18-ii31
発熱について
続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)における発熱の発現率は21.4%(6/28例)であり、解熱剤でのコントロール可能な発熱でした。
胸痛について
続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)では、疼痛の発現率が21.4%(6/28例)、胸膜痛の発現率が10.7%(3/28例)、非心臓性胸痛の発現率が3.6%(1/28例)でした。
本試験では、胸痛管理を目的に塩酸リドカインの胸腔内投与による前処置も一部の症例で行われています。また、英国胸部疾患学会のガイドライン*では、局所麻酔薬(塩酸リドカイン)の胸膜腔内への注入によって、胸膜癒着剤による胸痛に対し有効であると報告されています。
*:Andrew M, et al. Thorax. 2010; 65(Suppl 2): ii18-ii31
発熱について
続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)における発熱の発現率は21.4%(6/28例)であり、解熱剤でのコントロール可能な発熱でした。
Q.3急性呼吸窮迫症候群(ARDS)発現時の対処法はどうすればよいですか?
ARDSの治療は、呼吸管理療法、薬物療法の2つに分けて考えられます。
低酸素血症を改善するために、酸素マスクによる酸素吸入で十分でない場合は、人工呼吸管理を行います。
また、敗血症、肺炎などの原因となっている細菌感染症に対する抗菌薬療法や全身管理のために、水分や栄養の輸液を行います*。ARDSの薬物療法は確立していませんが、ARDS診療のためのガイドラインを参照し、適宜副腎皮質ホルモンの投与などを行ってください。
*:日本呼吸器学会ホームページ
低酸素血症を改善するために、酸素マスクによる酸素吸入で十分でない場合は、人工呼吸管理を行います。
また、敗血症、肺炎などの原因となっている細菌感染症に対する抗菌薬療法や全身管理のために、水分や栄養の輸液を行います*。ARDSの薬物療法は確立していませんが、ARDS診療のためのガイドラインを参照し、適宜副腎皮質ホルモンの投与などを行ってください。
*:日本呼吸器学会ホームページ
Q.4タルク懸濁液注入後の体位変換は必要でしょうか?
体位変換の有無でタルクの胸腔内分布や癒着成功率に差がないという報告*がありますが、少数例の試験であり、確立したものではありません。現状では、続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)での方法にならって30分ごとに体位変換を行うことを推奨します。
*:Mager HJ, et al. Lung Cancer 2002, 36:77-82
*:Mager HJ, et al. Lung Cancer 2002, 36:77-82
Q.5タルクを胸腔鏡下に噴霧して投与することは可能でしょうか?
海外ではタルク粉末を投与する方法(poudrage法)も行われていますが、本邦では懸濁液としてチューブより注入する方法(slurry法)のみ承認されていますので、懸濁液としてご使用ください。
Q.6どのようなカテーテルを使用すればよいですか?
続発性難治性気胸に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)では規定しておりませんでしたが、悪性胸水に対する国内第Ⅱ相試験(国内における医師主導治験)では、16~24Frのダブルルーメンカテーテルを使用しています。ユニタルク®は懸濁剤のため沈降しやすく、細い口径では詰まるおそれがあります。
Q.7ユニタルク®の懸濁液を注入している時にカテーテルが詰まった場合はどのように対処すればよいですか?
まず、日局生理食塩液でフラッシュします。その後、残りの懸濁液を注入する際は、再度よく振とうして本剤の粒子を分散させてから注入してください。詰まりが解消しない場合は、カテーテルの交換などをご検討ください。
Q.8懸濁後、数時間が経過してからの投与は可能ですか?
本剤は非常に沈降しやすく、時間が経過すると沈殿物が固くなり再懸濁しづらくなります。懸濁後は速やかに投与してください。
Q.9添付文書(電子添文を含む)に「本剤の懸濁液を緩徐に注入すること。」とありますが、どれくらいの速度で投与すればよいですか?
急速な投与は避け、自然な圧力をかけながら30秒前後で投与してください。本剤の粒子が沈降している場合は、シリンジを振って粒子を分散させながら投与してください。
Q.10悪性胸水と続発性難治性気胸における投与方法の違いはありますか?
投与方法と投与回数及び体位変換に違いがあります。
悪性胸水の場合、日局生理食塩液50mLを用いてフラッシュした後に、カテーテルをクランプします。投与回数は原則1回までです。
続発性難治性気胸の場合、日局生理食塩液50mLを用いてフラッシュした後に低圧持続吸引器により懸濁液が排液されない程度に陰圧をかけます。投与回数は2回までとなっております。
また、悪性胸水の場合、15分毎の体位変換ですが、続発性難治性気胸の場合、30分毎の体位変換が望まれます。
悪性胸水の場合、日局生理食塩液50mLを用いてフラッシュした後に、カテーテルをクランプします。投与回数は原則1回までです。
続発性難治性気胸の場合、日局生理食塩液50mLを用いてフラッシュした後に低圧持続吸引器により懸濁液が排液されない程度に陰圧をかけます。投与回数は2回までとなっております。
また、悪性胸水の場合、15分毎の体位変換ですが、続発性難治性気胸の場合、30分毎の体位変換が望まれます。