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作用機序

タルクを胸膜腔内に投与したとき、胸膜癒着を惹起する作用機序は十分には解明されていませんが、以下の4つの機序が推定されています1-3)

1
タルクは胸膜を構成する中皮細胞を傷害する。
2
細胞の剥離、離脱を引き起こし、炎症状態にする。
3
胸水中にサイトカイン、特にTGF-β、TNF-α、IL-1、IL-8などが集積する。
4
コラーゲンの生成、線維芽細胞が活性化され、膠原線維を形成し臓側胸膜と壁側胸膜を癒着させ、さらに血管が新生され、癒着を強固なものにする。

タルクの投与により、動物では胸水の貯留、胸水中への白血球数、蛋白、LDH濃度の増加も認められます。すなわち、胸膜腔内に炎症状態を惹起し、その回復過程において癒着を生じると推察されます。

主要文献
  1. Genofre EH, et al. Lung. 2005; 183: 197-207
  2. Marchi E, et al. Chest. 2004; 125(6): 2268-77
  3. Acencio MMP, et al. Lung. 2007; 185: 343-8
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